旅の記録 #001 田浦〜横須賀

【日付】

2017年11月26日(日)

【旅人】

父、長女(8)、次女(6)

【旅程】

9:00 旅支度開始-9:30自宅出発-9:50〜10:30 公園-10:30〜11:30 田浦探検-11:50-12:15 ヴェルニー記念館-12:30-12:50 イオン-13:30帰宅

【所持品】

父:ポッキー1箱、トッポ1箱、財布、家の鍵
長女:財布(SUICA含む)、マンガ、たまごっち、中古iPhone
次女:マンガ、本

【エピソード】

朝9時に、妻がバイトに出かけてしまったので、子ども2人に「今日は旅に出よう」と誘ってみました。「旅!?どこに?」という反応だったので、行き先が決まっていない旅をしてみたい、と伝えると長女が「いいね!」と乗り気になります。次女は「どこに行くの?帰ってこられるの?お泊りする?」と少し不安げです。電車に乗ってもいいし、お父さんのお金は500円まで使ってもいいよ。ということで、早速、旅支度をすませて、朝9時半に家を出ました。

家を出ると、隣の家の男の子(7)が、「どこに行くの?」と声をかけてくれます。僕が「今から旅に出るんだよ」と返事をすると、なんだか我が家の子どもたちは恥ずかしそうにクスクス笑いながら「ちょっと…言わないでよ…」と足早にその場を去りました。

電車に乗ろう、という話をしながら駅に向かっていると、途中で次女が「鯉が見たいな」「この道知ってるよ!こっち行こうよ!」と、駅と正反対の方向や、ぼくの知らない道に入っていきます。駅とは全く違う方向に向かい始める次女の背中からは「帰ってこられないかもしれない旅は怖い」「お母さんに会えなくなるかもしれないのはいやだ」という気持ちが伝わってきたので、次女の気持ちに従うことにしました。

次女は、そのまま町の入り組んだ細道を探検し続け、自分の知っている小さな公園を見つけます。滑り台しかない公園で、長女も次女も「ここで遊ぼう」ということになり、僕はしばらく2人が遊んでいるのを見ていました。10時になるとすべり台の上でポッキーを食べたい、ということになり、早くも所持品の中からポッキー1箱が消えていきました。

ポッキーを食べて、公園での遊びに満足すると、いよいよ長女が楽しみにしている電車に乗るということに、次女も挑戦しようという気持ちが整ってきます。3人で駅に向かい、駅の電光掲示板に表示されている電車のどれに乗って、どこに行こうかを話し合いました。

話し合いの結果、知らない町「田浦」に行ってみたい、と次女。「横須賀」に行ってみたいと長女。2駅隣りの田浦駅で一度降りて探検し、そのあとその隣駅である横須賀に行こうということになりました。

しばらく電車を待つと、横須賀行きの電車がやってきました。乗り込むと、座席に座って、次女はマンガを取り出し、ドラえもんを読み始めます。どうやら電車の中でマンガを読む姉に憧れていたらしく、誇らしそうにマンガを読みます。長女はその横で、去年サンタクロースにもらった「たまごっち」をいじっていました。

田浦探検

田浦駅についても子どもたちは電車を降りようとしません。マンガとたまごっちに夢中です。「田浦駅だけど、降りるの?」ときいてみると、急いで荷物をまとめてプラットフォームに降りました。自分で駅名を確認して降りなくちゃいけない、という意識はまだこれからかもしれません。

田浦駅は、次女が行ってみたいと宣言した町です。改札を出て左側は田浦町、右側は田浦港です。町と、海と、どっちがいいかときくと「海!」と元気な返事が返ってきたので、海側に降りてみます。しかし、次女が予想していたような海が広がる景色は見えず、代わりに倉庫がたくさん並んでいる町並みが。

「ここは逗子とはちがう町だから、お友達は住んでいないんだよ」というと「じゃあ、ここに住んでいる人が逗子にきたら旅してるってことになるの?」と言います。「そうだね。田浦は逗子の隣の横須賀っていう町の中にあるからね」「そっか。日本とぜんぜん違うね」まだ国、市区町村といった概念があやふやで面白い会話です。

倉庫街の一角には、いつの時代に使われていたのかわからない線路が残されている場所がありました。長女は「なんだか、田舎って感じだね」とポツリ。歴史を感じるということが言いたいのかもしれないけど、今の年齢ならではの表現で、感じたことを伝えてくれました。ちなみに季節柄、ススキがたくさん生えているところを見て「あ、ササキが生えてる!」という長女でした。

そのまま、倉庫街では9台も並ぶ自動販売機を見つけたり、魚が一尾も見当たらない川で生き物を探してみたりしました。次第にすることもなくなってきて、長女の希望する「横須賀」の街に移動しようということになりました。

「横須賀」駅に向かう電車を待つ間、田浦トンネルのレンガ造りの綺麗さに思わず長女は中古のiPhoneで写真をパシャリ。インターネットや電話ができなくても使わなくなったiPhoneは役に立つという体験にもなりました。

田浦港の歩道を歩きながら踊ったり走ったりしていた次女が、田浦は道が広いんだね、と言ったこと。田浦駅から横須賀駅に向かうときに、北風に舞うイチョウのきいろい葉を「見て!」と指差して、長女が田浦は自然が多いね、と言ったことがなぜか印象に残りました。

横須賀

横須賀の駅を出ると目の前にはヴェルニー公園という海沿いに面した立派な公園が広がります。ここにヴェルニー記念館という、フランスから来日し横須賀の近代化を推進した技師ヴェルニーの功績を称える入場無料の施設がありました。僕も知らなかった場所なのですが、子どもたちが入ろうというので入場します。

記念館中にある体験型の油圧式ハンマー模型を楽しんだり、ヴェルニーや横須賀製鉄所の歴史を映像で満喫した後は、ヴェルニー公園を抜けて、すぐ隣のイオンでクレープを2つ購入し、帰路につきました。

田浦港を探索したのも初めてなら、ヴェルニー記念館の存在も知らず、まさか横須賀でクレープを食べる旅になるとは思ってもみなかったこの日の旅。これからの旅のよいはじまりになったような気がしました。

【反省点】

水筒、濡れたタオル、一眼レフカメラ、ICレコーダーがあるとよさそうでした。また、未就学児は知らない町にでかけることが必ずしも楽しいわけではなく、知っている所で楽しく過ごしたいという思いを強く持っているので気を配ってあげる必要がありました。(ちなみに、旅に出てみて、帰ってこられるものなのだということがわかると旅の楽しさを感じることができるらしく、夜になって「また、旅にいこうね」と僕に伝えてくれました。)

所持金の使いみちや、何時くらいに家に帰るには、どこを何時に出発する必要があるかなど、「計画を立てる」ことは小学2年生ではまだこれからの活動なのかなという感覚を得ました。なんでもこどもたちにやらせるのではなく、自分でコントロールしたい、という範囲に合わせて、旅のイニシアチブを譲り渡していければいいのかもしれません。

体力についても、今回は約4時間のブラ旅でしたが、子どもたちは「足が棒になるくらい歩いた」「ちょっと昼寝したい」と頑張って歩いたようでした。秋のやわらかな日差しの中でもこの疲労なので、旅といっても、この年令の子どもたちには数時間が限界かもしれないということも感じられました。