About

Wonder Wander (素敵なブラ旅)は造語です。これは、こどもたちが行きたいと思ったところに、無計画に旅をするというちょっとへんてこな旅のことです。こういう旅をしてみたいと思った理由を話すには少しだけ長い説明が必要です。

僕は今、30代半ばで2児の父です。10代の頃から子どもの話を聞くのが好きで、学生時代は教育学部で学び、社会人になってからは保育士の資格をとり、30代になってから「こども哲学」という活動を普及させる非営利団体を設立しました。

しかし、この非営利団体をはじめる前の僕は、子どもの声に耳を傾けることが上手にできず、泣き続ける子どもを叩いたり、怒鳴ったりしてしまうこともありました。そんな自分が嫌でこども哲学という活動に関わり、娘が4歳になってから少しずつ語彙が増えたこともあってか、子どもの話をきけるようになっていきました。

子どもの話をきけるようになった僕の変化をよそに、娘もやがて8歳になって、こども哲学では満足できなくなりました。子どもは生まれたときから親、家の中、先生、友達、社会、と好奇心の対象を広げていくのだからムリもありません。

世界を探究したい、身体を使って遊びたい、と願う子どもたちと一緒にできることはなんだろうと考えた結果が、親子で旅に出ることでした。旅と行っても、行き先は決めずに、玄関を出てからその日の気分でしたいこと、行きたいところを決める旅です。

「旅行は行き先が決まってるでしょ。でも、旅は自由なんだ。どこに行ってもいいし、考えてたことを途中で変えてもいいし、遠くに行っても、近所を探検してもいいよ。今日は天気もいいし、そういう旅に出ようじゃないか」

そんな芝居がかったセリフを子どもたちにかけ、旅支度をさせたら、子どもたちもすっかりその気に。

そんなわけで、僕の中での「こども哲学」は、親子であてのない旅に出る(Wonder Wander )へと発展していくことになったのです。

 

川辺 洋平

1983年生まれ。神奈川県逗子市在住。横浜国立大学大学院教育学研究科在学中。NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダ代表。