[毎日小学生新聞]連載「本の森」Vol.2 アンデルセン『はだかの王さま』


本の森にも木枯らしが吹く季節。ミミズク小学校に通っているツマズクさんは、 衣替えをしたばかり。興味を持っているのはオシャレな服、ということで今月はファッションにまつわる本を読んでみた様子・・・。


アダナ先生(以下ア):あら、ツマヅクさん、暖かそう。
ツマズクさん(以下ツ):いいでしょ、手編みのマフラー。
ア:すっかり秋になって、気温も下がってきましたね。
ツ:先生も暖かいマフラーを巻いたらいいのに。
ア:ホッホッホ。マフラーなら巻いてますよ、見えませんか?
ツ:えっ、巻いてないよ。さてはアダナ先生は「さぎ師」だな!
ア:「さぎ師」とはまた、失礼な。わたしはサギじゃなくて、フクロウです。
ツ:まったく。わたし「はだかの王さま」っていうおはなしを読んだんだから。
ア:あぁ、「さぎ師」が登場する有名なお話ですね。
ツ:そうだよ。「さぎ師」は見えない布を織って、王様に服を着せるの。
ア:そうでしたね。どうしてさぎ師だってわかったんでしたっけ?
ツ:王様が最後に見えない服を着て、パレードするの。そのときに、子どもが王様を見て、
「はだかだよ」って言うからだよ。
ア:でも、服を着ているんだから、裸じゃないでしょう?
ツ:だから、見えない布なんてないんだよ。ウソをついてるんだってば。
ア:「さぎ師」が本当のことを言っているかもしれませんよ?
ツ:えっ・・・でも「さぎ師」って悪い人でしょ?
ア: そうですね。
ツ:悪い人だから、やっぱりウソついてるんじゃない?
ア:悪い人か、いい人か、どうやって判断しましょうか。
ツ:それはやっぱり、日頃のおこないでしょ。
ア:世にも珍しい布を手に入れて、王さまのために寝る間も惜しんで機織りをして。
ツ:そうそう、そうやってがんばるのがいい人・・・あれ?
ア:それで、見えないマフラーをこしらえたりして。
ツ:ちょっと!わたしは騙されたりしないからね!
ア:このマフラーは、先生の奥さんが編んでくれたんですよ。
ツ:(もしかして先生、はだかの王さまですか・・・)

出典
『はだかの王さま』アンデルセン ハンス・クリスチャン 大久保ゆう訳