[毎日小学生新聞]連載「本の森」Vol.3 ペロー『猫吉親方』


もうすぐクリスマス。ツマヅクさんのクラスではサンタクロースに何をお願いするかという話題があちらこちらできこえてきます。ところがあれあれ、浮かない顔してみんなの願い事をきいているツマヅクさんです。


アダナ先生(以下ア):ツマヅクさん、何か悩みでもあるんですか。

ツマズクさん(以下ツ):アダナ先生、どうしてわかるんですか。そう、悩み事があるんです。

ア:ホッホウ。ぜひ、その悩みを聞かせていただきたいのですが、どうでしょう?

ツ:実は、サンタクロースにもらいたいプレゼントのことで悩んでいるんです。

ア:あら、贅沢な悩みですね。サンタクロースのお金が減ることを心配しているとか?

ツ:ぜんぜんちがいます。先生、わたし、欲しいものが思いつかなんです。

ア:なんと。私なんてほしいものだらけですよ。

ツ:先生はどんなものほしいんですか?

ア:そうですね。まず、爪切り。うちの爪切り壊れちゃってね。ホッホッホ。

ツ:爪切りですか!今日の帰り道にでも、買って帰ってくださいよ。

ア:それもそうですね。でも、サンタクロースがくれる爪切り、見てみたくありませんか?

ツ:うーん。でも、爪切りって言われると、なにか違うんだよなぁ。

ア:どうして爪切りは「なにか違う」と思うのでしょうか?

ツ:先日「猫吉親方」っていうおはなしを読んだんです。

ア:別名、長靴を履いた猫ともいう、ペローの名作ですね。

ツ:猫吉親方は、王様と仲良くなって、飼い主のご主人をお姫様と結婚させちゃうんですよ。

ア: そうですね。猫をもらってがっかりしていたはずのご主人に、幸運が訪れる。

ツ:それで、お話の最後には、「親の財産に頼らないで、若者は自分の腕で頑張りなさい」って書いてあるんです。

ア:そうでしたっけ。そんな終わり方だったような気もします

ツ:ご主人様は親にもらった猫に助けてもらってお姫様と結婚してるのに。

ア:まぁ、それはそうですけど、いいんじゃないでしょうか。

ツ:でもわたし、親の財産に頼らずに自分の腕で頑張りたいんです!

ア:ツ、ツマヅクさん・・・。

ツ:そんなわけでサンタクロースにも、どこまで頼るか悩んでいるんです。

ア:あの、ツマヅクさん、サンタクロースは親の財産なのでしょうか・・・。

 

『猫吉親方』ペロー 楠山正雄 訳